d_656343 大人のためのおとぎ話 〜皮とりじいさん〜
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これは、あの有名な「こぶとりじいさん」のように、鬼に体の’一部’をとってもらう男たちの、滑稽で哀しい物語。
ただし、鬼がとるのは顔の「こぶ」にあらず、男の竿の「皮」であった――。
心優しき源五郎は、愛する妻を喜ばせたい一心で、鬼への純粋な奉仕と引き換えに、長年の悩みだった包皮(かわ)を剥がされ、【巨根】を手に入れる。
一方、その幸福を妬んだ傲慢な隣人、権兵衛。
己の欲望のためだけに鬼を訪ねるが、その浅ましさゆえに罰として不能にされ、醜い包茎(かわかぶり)へと堕とされる。
すべてを失った権兵衛が、地獄の屈辱の果てに真の「奉仕」に目覚め、男としての力を取り戻した時、彼の目の前に広がるのは、あまりにも残酷で皮肉な現実だった…。
総字数
約13,000字(読了時間
約26分)
〈本文より抜粋〉
光の源に辿り着くと、そこには信じがたい光景が広がっていた。
開けた岩場にかがり火が焚かれ、それを囲むように、異形の者たちが酒宴を繰り広げていたのだ。
筋骨隆々とした赤鬼が巨大な瓢箪から血のような色の酒をあおり、氷のように冷たい眼光を放つ青鬼が黙ってそれを眺めている。
そして何より目を奪われたのは、艶やかな着物を身に纏い、官能的な舞を披露する女鬼たちの姿だった。
しなやかな肢体、紅を引いた唇から覗く小さな牙、そして人間を惑わす妖しい色香。
彼女たちは、人の心の奥底に潜む、剥き出しの欲望と快楽を司る存在そのものだった。
〇
やがて女鬼がかがり火の光に照らされた岩肌にゆっくりと横たわると、源五郎はためらうことなく彼女の股座へと顔を埋めた。
そこは、この世のものとは思えぬほど芳醇な香りに満ちていた。
彼は目を閉じ、その神秘の泉に舌を這わせた。
自らの快楽のためではない。
ただ、この女鬼を悦ばせたい。
その一心で、味を、匂いを、熱を、全身で感じ取り、心から彼女を満たそうと努めた。
彼の舌が秘部のひだを丹念に辿り、敏感な蕾を優しく刺激するたびに、女鬼の体は弓なりにしなり、恍惚の吐息が夜の森に溶けていく。
〇
「あの人は、本当に変わったの……。
もう、男としての自信に満ち溢れていて、夜もあんなに、あんなに深く愛してくれるなんて……」
その言葉を聞いた瞬間、権兵衛は手の中のたばこを地面に投げつけた。
おみねの言葉の一つ一つが、鋭い矢となって彼の虚ろな自尊心に突き刺さる。
自信?
愛してくれる?
自分がおきくに対して、一度でも考えたことのない言葉だった。
権兵衛の脳裏に、夜ごと義務のように体を重ねる、おきくの虚ろな目が浮かんだ。
嫉妬と屈辱で、腹の底が煮え繰り返るようだった。
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情報
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品番
d_656343
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ページ数
33
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発売日
2025.08.29